日本史Bの知識でわかる飛鳥~奈良時代の仏像

来る運慶展に備えて仏像の歴史を高校の教科書(=日本史B)に出てくる内容で予習したのでそのまとめです。

ここでは仏教が公伝されたとする552年~奈良時代までの仏像を

  1. 造仏史
  2. 主流の素材と作り方
  3. 仏像のビジュアル

の、3つの視点でまとめたいと思います。

▼ちなみに高校生の時に使った「日本史B」の用語集で赤文字で重要なんだなーという単語を中心に書いています!

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造仏史

ここでは仏教が伝来してから東大寺の大仏が開眼供養するまでの、約250年間をサクッと見たいと思います。

552年 仏教伝来

『日本書紀』によると欽明天皇の時代に仏教が公伝されました。

この頃「崇仏派」である蘇我氏と「排仏派」の物部氏が対立し、蘇我馬子聖徳太子が物部守屋を倒すことで仏教受容が始まりました。

この「物部守屋を倒す」という戦勝祈願のため発願(=願掛け)した氏寺が、日本初の本格的な寺院建立と言われています。

▼有名どころはこの辺のお寺。

  • 蘇我馬子が発願した法興寺(飛鳥寺)
  • 聖徳太子が発願した四天王寺
  • 聖徳太子が発願した法隆寺

ちなみにこの時代、氏寺の建立が流行します。ちょっと前まで古墳時代だったので「古墳に代わる権力誇示の手段」として伽藍の建立が流行したそうな。

Pick UP 仏師! 鞍作鳥(くらつくりのとり)

この時代の仏像の主流を作ったといっても過言ではない、鞍作鳥(止利仏師)

「鞍作」というのは馬具を作る職人集団を指していて、鉄や木の加工に長けていたと考えられます。馬具の技術を造仏に応用したんですね。

活躍した時代は7世紀前半ですが、作品はまだ現存しており実際に見ることができます。ありがたや……

👉飛鳥寺:釈迦如来像(「飛鳥大仏」で有名!)
👉法隆寺:金堂 釈迦三尊像

止利派の仏師は蘇我氏に擁護されていたため、645年の大化改新で蘇我氏が滅亡してからは徐々に姿を消していきます。

白鳳時代

大化改新から平城京に遷都するまでの期間を「白鳳文化」と言います。

それまでは「氏寺(私寺)」が主流で寺院建設は進められていましたが、この時代頃から「官寺(国営)」が増えます。

👉薬師寺
👉大官大寺(大安寺)

国家仏教と大仏造立

当時、相次ぐ政治不安や天然痘の流行のため、聖武天皇は鎮護国家思想(仏教によって国を守護する)により国家の平安と安定を求め、2つの詔が宣言されます。

👉国分寺造立の詔(741年):国ごとに国分寺や国分尼寺を造立
👉大仏造立の詔(743年):盧舎那仏の大仏造立、これが今の東大寺。

ちなみに東大寺の開眼供養は752年。約10年もの歳月をかけて造立されました。また、各国に造立された国分寺の総本山が東大寺です。

国主導で仏像が求められていたため、官営工房での造立が主流となります。

753年、5度の後悔に失敗しながらも鑑真が日本に来日し、唐招提寺を造立します。

主流の素材と作り方

飛鳥~白鳳時代は「金銅像」

蠟型鋳造で整形したブロンズに鍍金を施した姿が主流。先の飛鳥大仏や法隆寺の釈迦如来像はこの金銅仏です。

奈良時代は「乾漆像」「塑像」が主流

打って変わって奈良時代は「乾漆像」と「塑像」が主流となります。

👉塑像:粘土で整形したもの
👉乾漆像:漆で固めて作ったもの

東大寺・法華堂の日光月光菩薩は塑像で作られております。

乾漆像は工程の違いにより2種類に分けられます。

1つは原型を粘土で作成し、そこに麻布と漆を交互に塗り重ね、最後に土を抜いてから木枠を入れる脱活乾漆。日本史の資料集でよく見る鑑真和尚像はこの作られ方です。

もう1つは原型を木枠で作り、そこに麻布と漆を交互に塗り重ねて成型する木心乾漆です。

仏像のビジュアル

飛鳥時代は「アルカイックスマイル」

止利様が流行した飛鳥時代、伝来したばかりの仏教を受け入れやすいものにするため、この時代は杏仁(=アーモンド)型の目を開き、アルカイックスマイルという笑みを浮かべています。

営業スマイルと思っていただければ最初はあってると思います。

また「真正面からの鑑賞」のみを想定しているため、左右対称な造形をしているのも特徴です。そして奥行が薄い。顔は面長で直線的です。

丸みの出てくる白鳳~奈良時代

面長の顔は相変わらずですが、直線さが取れ少し丸みを帯び、体の厚みも増してきます。

口は真一文字にしまりちょっとぶすっとした印象を受けます。この時代が「仏頂面」というイメージに一番近いのではないだろうか……。

まとめ

ちょっと煩雑になったので、最後に飛鳥~奈良時代の仏像についてまとめます。

★飛鳥時代まとめ
・仏教伝来
・古墳に代わって氏寺が流行(法興寺・四天王寺・法隆寺)
・鞍作鳥がアルカイックスマイルな仏像を造立
・金剛像が主流

★白鳳時代まとめ
・氏寺(私寺)に代わり官寺(国営)が増える(薬師寺・東大寺)
・金銅像が主流

★奈良時代まとめ
・仏教が国家事業化し、仏師も官営工房化する
・国分寺造立の詔
・大仏造立の詔👉東大寺
・乾漆像が主流
・ザ・仏頂面

次回:日本史Bの知識でわかる平安時代の仏像はコチラ!

▼このシリーズのまとめはコチラ!
日本史Bの知識でわかる仏像のまとめ

▼造仏史がわかったら運慶展に行こう!
55日間の軌跡! #運慶展 で仏像の背中を見よう!

それでは、これにて。

ドロン。

文月詩乃
「やってみたいをカタチにする」をモットーに日々試行錯誤中! 「行ってみたい!」は47都道府県を訪ねる旅に、「引きこもりたい!」は日々の事務処理を仕組み化することで実現させることを目標に活動しています。2017年8月より、フリーの「事務処理屋」としての活動を始めました!