七尾市「花嫁のれん館」で能登の花嫁の覚悟を垣間見る

七尾市・一本杉通りを散策する途中、花嫁のれん館に立ち寄りました。

▼七尾駅に花嫁のれんを模した飾りがあったり、電車の内装の参考にされたりと目にする機会は結構あります。

▼外観、比較的新しい

▼入口、ピンクののれん

入口をくぐってすぐ、お土産売り場とカウンターが目に入ります。

ちなみに入場料は大人500円。

平日の昼間ということもあって、館内はほぼ貸切状態。

大きめな荷物を背負っていたので、カウンターで預かってもらいました。ゆっくり見れるので、とてもありがたかったです。

ガイドさんがついて回ってくれたので、一つ一つ解説を聞きながら展示を見て回る。

「花嫁のれん」は加賀・能登の文化で江戸時代頃から流行したらしい。

▼館内は撮影OK

嫁ぐ日の朝、花嫁は実家の縁側から家を出るそうです。

嫁入り先の家の人になるため、実家との「縁」を切る、という意味があるそうです。

▼合わせ水

「合わせ水」は、嫁ぎ先と実家の水を混ぜて「かわらけ」に注ぎ、その水を飲む事で嫁ぎ先の家の人になるそうです。

使用した「かわらけ」は玄関で地面に落として割ります。これも元の家に戻れないようにするためとのこと。

▼花嫁のれん

「花嫁のれん」は嫁ぎ先の仏間の入口にかけられます。

のれんをくぐって仏間に入る事で、実家ではなく嫁ぎ先の家の人になるそうです。

仏間で嫁ぎ先のご先祖様に挨拶した後、晴れて花嫁は嫁入り先に迎え入れられ、その後宴会などを執り行うそうです。

▼まさかの婿入りのれんもありました。

なんというか。

「結婚すること」に対して、こんなにも決意を試されるのか、と圧倒されました。

私は未婚ですが、こんなにも「実家にはもう戻れないよ」と試され続けると、心が折れてしまいそうだと。

むしろこの展示見てるだけで(そして思い出して書いてるだけで)、すでに心が負けています。(※結婚の予定はありません)

だって、きっと、実家に帰りたくなる日もあるじゃない。

ちなみに「花嫁のれん体験」という、白無垢を着てのれんをくぐる、というのもできるそうなんですが、こんなテンションなので辞めました。

▼花嫁のれんのアップ

この花嫁のれん、驚きなのは先ほどの「仏間の入口にかけておいてくぐる」というただ一回のために作られているそうです。

それ以外はタンスの奥にしまっておくそうです。

花嫁の実家の家紋をあしらうため、自分の娘(=嫁ぎ先の家紋)には渡せない品物なのです。

加賀友禅で丁寧に作られた、去りゆく大切な娘への最後のプレゼント。

なんかもう、アラサー女子の一人旅で見るんじゃなかったとメンタル的に後悔。

柄にもなく、自分の結婚とか実家のこととか、いろんな事を考えてしまいました。

近年では縁側の無い家も増え、「一回しか使わないのはもったいない!」と娘に譲ったり、部屋に飾ったり、はたまたレンタルも出てきたりと、いろいろ姿は変わってきているようです。

奥の部屋では時代別に収集された花嫁のれんが展示されています。

ガイドさんと見比べながら、しばし時の移り変わりを眺めます。

▼大正時代

着色料の種類が乏しかった大正時代は、どことなく地味な色合いをしています。布も麻で作られています。

三幅の布なので、他の時代に比べてスリムな印象。

▼昭和初期


昭和初期になると紐飾りが増えたり、素材が絹になったりと、豪華な印象に。

色も前の時代に比べると華やかさがあります。布幅も四つになりました。

▼昭和後期から平成

紐飾りが房になり、色合いもポップさが増しています。布幅も五つで見ごたえがあります。

家紋も飾り模様が入っていて可愛らしい。

本当は時代ごとに「おしどり」の描かれ方が微妙に違うとか、

船の図柄は海に関連した家に嫁いで、大きな船と小さな船で夫婦の姿を現してるとか

いろいろ伺ったのですが、あんまり話過ぎるのも野暮かなぁと思うので、これくらいにしておきます。

ちなみにゴールデンウィーク頃に「花嫁のれん展」というイベントがあって、200展もの花嫁のれんが一本杉通りのお店に展示されるそうです。

花嫁道中も行われるとか(公募で結婚するカップルが応募できるらしい…!)

花嫁のれん展 公式HP

そんな時期にも来てみたい。

それでは、これにて。

ドロン。

文月詩乃
「やってみたいをカタチにする」をモットーに日々試行錯誤中! 「行ってみたい!」は47都道府県を訪ねる旅に、「引きこもりたい!」は日々の事務処理を仕組み化することで実現させることを目標に活動しています。2017年8月より、フリーの「事務処理屋」としての活動を始めました!