55日間の奇跡! #運慶展 で仏像の背中を見よう!

念願の「運慶展」に行ってきた文月詩乃です。

突然ですがこの2017年秋、上野・東京国立博物館の平成館で開催されている「運慶展」をご存知でしょうか?

え?知らない?

42年ぶり55日間限定で国宝・重文級の仏像がぞろぞろ集まる奇跡の展示会を知らない?

鎌倉彫刻界のスーパースター運慶の作品と判明している31体の内22体が集まる運慶展を知らない?

なんということでしょう……!

そんなあなたのためにこの記事では

  • 運慶展の開催情報
  • 文月的・運慶展の見どころ
  • 運慶展の感想レポ

についてお話したいと思います!

時間が無い人は一番最後にまとめを作ったので、そちらをご確認いただければ開催概要はわかります。

この記事を読めば、あなたも今日から「仏友(ブッ友)」です。それでは早速参りましょう!

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目次

運慶展とは?

運慶展とはどのような展示会なのか、その見どころは何か、についてサクッとお話します。

そもそも運慶とは?

運慶は平安後期~鎌倉時代にかけて活躍した仏師です。「仏師」とは仏像を作る人のことを指します。

それまでの仏像は平安時代中期に仏師・定朝が確立させた、瞑想的で丸みのある、やわらかな雰囲気が特徴の仏像が好まれていました。

ざっくり言うと平安貴族の趣味に合わせて作られています。

しかし、運慶の活躍した時代は武士の時代へと移り変わり始めた時代であり、力強さが仏像にも求められていくようになります。

運慶は治承の乱が発生した際に平重衡による「南都焼討」で損傷を受けた東大寺や興福寺の再興として仏像の作成にあたったのです。

今回の展示会も「興福寺金銅中金堂再建記念」として行われ、展示室内では興福寺の北円堂を再現した展示があるなど、そのつながりの深さを知ることができます。

360度全方位から仏像が見れる!

今回の展示のすごいところは、普通にお寺に行っても見れない仏像のお尻仏像の背中を見ることができるのです!

東京国立博物館の平成館という大きな会場を広々と使った、ゆとりのある展示スペースで、なんと360度全方位から仏像を鑑賞できるエリアが多いです。

普段の仏像は、お寺の中で参拝客に向かって正面を向いてるところしか見れませんが、この運慶展なら横からでも後ろからでも見るチャンスがあります!最高かよ!

また、一つ一つ仏像ごとに照明も工夫されてるので仏像の影まで見てほしいです。シルエットまでカッコいいから!

慶派3世代を知る

名前に「慶」の字がつく仏師の系譜を「慶派」と呼びますが、今回の運慶展では運慶の父である康慶と運慶の子供である湛慶・康弁らの作品も合わせて展示されています。

父・康慶の時代に台頭し運慶の時代で隆盛を極め、その独自性を受け継いだ湛慶・康弁の作品を一気通貫で見ることができます。最高かよ!!!

42年ぶり55日間の奇跡、運慶作品の同窓会を目撃せよ!

この運慶展、会期が2017年9月26日から11月26日までの55日間限定で、他県への巡業も行わないそうです。つまりトーハク(東京国立博物館)の開催を逃したら他では見ることができません。

運慶は関西から東国まで多方面にわたって活躍しており、一堂に集めたくても地理的にできない現状もあります。

そんな中で今回の展示会は運慶の作と判明している31体の内22体が上野に集結するという、まさにスーパーチャンス!運慶作品の同窓会としか思えません!

ちなみに運慶にまつわるこれほど大きな展示会は、なんと42年前の東京国立博物館「鎌倉時代の彫刻展」以来だそうです。今回を逃したらいつになることやら……。

運慶展 感想レポート

ざっくり運慶展がどんなものかわかったところで、ここからは実際に行ってきた文月の感想レポートをご紹介します。

運慶展の混雑状況

私が運慶展に行ったのは9月30日(土)の18:30過ぎです。この時点では待ち時間ナシ。スムーズに会場に入ることができました。

しかーし!!!私が行ったのは開催5日目、終盤に向けて混み始めるはずです。

そんな時は運慶展公式Twitterアカウント(混雑状況Ver)が込み具合をツイートしているので、こちらをチェックしてください!

▼公式Twitter(混雑状況Ver)

運慶展をもっと楽しむために「運慶学園」に入学しよう!

待て待てまてーい!せっかく運慶展に行くなら、運慶学園に入学してから行きましょう!

👉運慶学園 公式サイトはコチラ!

運慶学園とは、各界の運慶ファンからなる公式ファンサイトです。運慶にちなんだ授業や部活動が取り揃えられており、まさに運慶展の予習にぴったりです。

まあ、まずは入学試験を受けてきましょう。大丈夫、時間は無制限です。

👉運慶学園 入学試験はコチラ!

▼運慶学園 入試結果

↑↑無事?特待生として入学できました!

入学試験の得点に合わせて3種類の学生証が発行されます。特待生は無著菩薩があしらわれた学生証でした!

ちなみに運慶学園の学生証を開催から先着1万名様限定で「運慶学園校章ステッカー」をいただくことができます。

▼無事に取得した「運慶学園校章ステッカー」、旅のしおりノートへ

それでは上野・トーハクに向かってレッツゴー!

▼東京国立博物館・平成館の入口

▼エントランス部分 楽しみ楽しみ!

第1章 運慶を生んだ系譜–康慶から運慶へ

仏師運慶のデビュー作・大日如来坐像(No.4)

入口をくぐってまず最初に目に飛び込んできたのは「大日如来坐像」、仏師運慶のデビュー作と考えられています。

運慶の仏像は写実性がある、という所以が既にこの頃から現れていて、胴体と腕の間に空間ができています。

これ、実際に作ろうと思ったらかなり難しくて絶妙なテクニックがいる技術……。

真後ろとまではいかないまでも、ほぼほぼ全方位から見ることができました。すっと伸びた背中のラインが美しい。

横顔イケメン 仏頭(No.6)

次に興福寺の「仏頭」、江戸期の火災で頭部以外が焼失されていますが、この凛々しい横顔を見てほしい。イケメン。

この仏頭を見て気付いたのですが、螺髪(らほつ:仏像の頭のぶつぶつに見える髪型)ってピンで挿すようにして固定するんですね!知らなかった。

風を感じる四天王立像(No.7)

運慶の父・康慶が作成した四天王立像は、今、まさにその身に風を受けているかのような躍動感が印象的でした。特に一番左に安置されている広目天。衣服のはためきが違います。

あと驚いたのは、よくよく見ると歯があるんです。なんと緻密な……。

静の中に動を見出す 法相六祖坐像(No.8)

続く法相六祖坐像も康慶の作です。流れるような衣文の彫刻ももちろんすごいのですが、服と服の隙間、袖元の描写もまたすごいのです。本当に着てるみたい。

法相六祖坐像は「羅漢像」を模して造られたそうですが、どうして羅漢系ってみんな悲し気な顔してるんですかね?

ちなみに伝神叡坐像が私の推しメンです。イケメン。

第2章 運慶の彫刻–その独創性

運慶が絶好調~晩年の頃の作品群です。

42年ぶりの寺外展示 毘沙門天立像(No.13)・不動明王立像(No.12)

まず神奈川県・浄楽寺の毘沙門天立像・不動明王立像。寺外に出るのはなんと42年ぶりだそうです……!

慶派の仏像には「玉眼(ぎょくがん)」と呼ばれる水晶で目を表現する手法が多く用いられています。

この毘沙門天立像・不動明王立像も玉眼なんですが、なんと目が血走ってるのです。

もちろん会場では全く気付かず、家で図録を眺めているときにハッとしました。気になる人はぜひ会場で図録めくってみてください。

この時気付いたのですが、足元で踏まれてる邪鬼って手が指4本で足は指2本だったんですね。(違うパターンも有り)

微笑みが涼やかな地蔵菩薩坐像(No.15)

運慶作の地蔵菩薩坐像。京都・六波羅蜜寺の宝物館にいたらしいのですが、行った当時の私は気付かず今回偶然にも再会する形に。

この地蔵菩薩坐像が先ほどの仏頭くらいイケメン過ぎて辛いです。うっすら微笑み浮かべてるところがさらに追い打ちをかけます

そしてこの体前面部の衣文のハラリ感。衣擦れの音が聞こえてきそう。

これが極楽か?大日如来坐像(No.17)

小さな厨子の中にたたずむのは栃木県・光得寺の大日如来坐像。持って帰りたくなるレベルのかわいらしさ。台座下部を守る獅子も愛らしいです。

10円玉で有名な宇治平等院鳳凰堂内の雲中供養菩薩像のような仏菩薩像が周囲を取り囲んでいます。きっと極楽ってこんな光景なのだろう、としばし夢見心地に。

子供らしいまなざしの八大童子立像(No.18)

生き生きとした表情が魅力的な八大童子立像は運慶晩年の作と考えれらています。おくれ毛が筆で丁寧に描かれていたりと、フライヤーだけじゃ気付かないことがちらほら。

ちなみに今回の運慶展では確認できませんが、八大童子が守護する本尊の不動明王を拝礼する行者に向けて、それぞれの顔や体の向きが設計されているそうです。緻密……。

寺外初公開 聖観音菩薩立像(No.19)

寺外はなんと初公開となる聖観音菩薩立像は源頼朝の三回忌の供養のために作られた仏像で、頼朝の身長と同じ大きさになるように作られているそうです。

こちらは運慶とその子・湛慶で制作。色が鮮やかなのは明治期に修繕されたからなのだそう。

これもまた衣文がハラリしてて目を奪われます。特に背中のあたり。ゆるやかに腕にまとわせた布は、なんと後から付けたパーツではなく掘りぬいて作られたもの。なんてこと……。

ちなみにこの聖観音菩薩立像とともに安置されている帝釈天と梵天は今回の運慶展では見ることができませんが、来年1月から始まる神奈川県立金沢文庫の運慶展では見ることができます!

興福寺・北円堂内の再現コーナーで如来の気持ちになれる!?

そして待ちに待った興福寺・北円堂の再現コーナー。

まずは現在、興福寺の南円堂に安置されている四天王立像。運慶の6人の子供たちを中心に作成されたと考えられています。

増長天は真後ろから見ると「ここは俺に任せろ」と言わんばかりのかっこよさがにじみ出ていました。フッ……と不敵な笑みを浮かべる持国天もかっこいい。

多聞天は風を感じる躍動感が魅力的です。でも真正面から見られたら広目天が最もイケメンだと思います。

そしてお待ちかね、展示エリアの中央から慈悲のまなざしを向ける2体が無著菩薩立像世親菩薩立像

各種フライヤーだけでなく、公式図録やチケットの顔まで務める無著菩薩……。どの角度から見ても美しい……ドキドキするほど、凛とした表情。

なんて思っていると、世親菩薩が悲し気な顔でこちらを見つめていて、思わず「ごめん……」と胸の内でつぶやく。

さて、なぜ私が盛り上がっているかと言うと、ここが北円堂の再現コーナーだからです。堂内にあるはずのあるものがこの展示会場にはありません。

それは何でしょう?

・・・

正解は、北円堂本尊の弥勒如来坐像です!つまり、本来は如来を安置する場所が観覧スペースになっているのです!

と、いうことは……無著菩薩と世親菩薩の間、ちょっと後ろから展示スペースを見渡すと如来と同じ目線になれるのです!まさに如来気分!!!

ちなみに、会場でこんな感じではしゃいでる人間は私の他にいませんでした。

第3章 運慶風の展開–運慶の息子と周辺の仏師

まさかの「子犬」(No.32)

運慶の子、湛慶が作ったと考えられている子犬。今にも動き出しそうな愛らしさに、その前で足を止める人が続出していました。連れて帰りたくなります。

「千手観音の光背にいた」って気付いてる?(No.34)

京都府・三十三間堂は修学旅行で訪れたことがある人も多いと思いますが、そのご本尊である千手観世音菩薩坐像の光背(こうはい:仏像の後ろにある光を模した飾り)にも三十三身像が設置されているそうです。

運慶展ではこの内、湛慶が手掛けた3体が展示されています。千手観世音の手に気を取られてて、今まで後ろにいたこと知らなかったよ……運慶展が無かったら一生気付かなかったよ……。

天燈鬼立像・龍燈鬼立像(No.35)

どこかコミカルな雰囲気が漂う2体の鬼。くりくりした目で会場を見つめていました。2体ともお尻から太ももにかけての筋肉がすごい。

ちなみに龍燈鬼の方はお土産売り場でフィギュアになっており、ご家庭に連れて帰れます。

42年ぶりに全員集合!十二神将立像(No.36~37)

なんと現在所蔵している機関が異なるため、12体まとめて見れるのは42年ぶりの十二神将。

それぞれ頭部に干支のモチーフが隠れているので、探しながら見るのがオススメです。

私的には巳神像がスネオヘアーに見えてしまったのと、申神像だけ「サル」っぽくて面白かったです。

観覧の終わり、それは運慶学園の卒業の時

楽しかった運慶展も十二神将立像で最後の展示。

心置きなく物販コーナーへ向かいます。

▼運慶展 公式図録

無著菩薩の横顔が美しい公式図録。お値段なんと3000円!安い!

ちなみに完投16頁分、見開きのモノクロブロマイドが挿入されています。安い!

▼裏面は毘沙門天

物販コーナーはいろいろ収集してしまったのですが、文字数の都合上別記事にまとめます……。

▼会場内には運慶展記念号外も配布されています。数量限定!

▼やはり一面は無著菩薩

展覧会の観覧の終わりとは、すなわち運慶学園の卒業の時を意味します。

▼楽しかった運慶学園生活の思い出に

会場内のQRコードから卒業証書もダウンロードできます。

運慶展 まとめ

運慶展 開催概要

  • 会期
    • 2017年9月26日~2017年11月26日
    • 一部展示入れ替えあり
  • 会場
    • 上野 東京国立博物館 平成館
  • 休館日
    • 月曜日(※10月9日は開館)
  • 会館時間
    • 9:30~17:00
    • 金・土、および11月2日は~21:00
  • 入館料(当日券)
    • 大人 1600円
    • 大学生 1200円
    • 高校生以下 900円

参考:運慶展公式サイト 開催概要

運慶展 見どころまとめ

  1. 運慶とは平安~鎌倉時代に活躍した仏師界のスーパースターである
  2. 運慶展では仏像をあらゆる角度から鑑賞することができ、仏像の背中も見れる
  3. 慶派3世代の造仏史を一覧することができる
  4. 42年ぶり55日間限定の運慶作品の同窓会である
  5. 北円堂の再現コーナーでは如来の気分になれる

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いつも心に、運慶を。(※運慶学園校訓)

それでは、これにて。

ドロン。

文月詩乃
「やってみたいをカタチにする」をモットーに日々試行錯誤中! 「行ってみたい!」は47都道府県を訪ねる旅に、「引きこもりたい!」は日々の事務処理を仕組み化することで実現させることを目標に活動しています。2017年8月より、フリーの「事務処理屋」としての活動を始めました!