文月詩乃の夏休み~龍王閣湯治日記~ #またたびメモ

絶賛引きこもり旅行中の文月詩乃です。

遅めの夏休みを取得したので、思い切って『お気に入りの温泉宿で文豪みたいな生活を送る』という野望を実施してみました。

あと純粋に一人でのんびり休みたい。

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一泊目

七尾市観光を切り上げて、湯治に備えて500mlペットボトル×4本の水分を調達。ちょっと心もとない。

これから向かう龍王閣は、今回で3回目の宿泊となる個人経営の小さな湯治宿です。

私が「また来たいな」って思う宿はいくつかありますが、本当に「また来たよ」っていう宿は今のところこの龍王閣だけだったりします。

ご飯が美味しい、田舎の実家に来たように宿の人が迎えてくれるし、何より温泉が素晴らしい。

好きな「温泉街」はいくつもあるけど、好きな「温泉」は多分ここが一番。

そんなお宿に四泊五日。楽しみ以外の何物でもない。

崎山巡回線というバスに揺られ、港町の平たい大きな瓦屋根と板壁の町並みを眺めること約40分、湯川温泉というバス停で下車する。

▼バス停から見た龍王閣


私の母方の実家も、山の中の車道から少し登った所にある一軒家だったので、どことなく懐かしい。

「あら、やっぱり文月さんだった。バスが停まった音がしたから、そうじゃないかなって思ったのよ。」

宿に入るとすぐに、おかみさんが出てきてお部屋に案内してもらった。

「文月さん、前もいらしたから迷わないとは思ってたんだけども。前回はいつでしたっけ?」

「去年の11月ですね、また遊びに来ちゃいました」

▼今回のお部屋


他のお宿は植物とか山の名前を部屋に付ける所が多い印象だが、龍王閣は「無限○○乃間」とついている。

このネーミングセンスもまた好きな理由だったりする。

▼お部屋の様子


「ゆっくりしていってねぇ。また後でお夕飯持って来ますから」

▼とりあえずお茶菓子


畳が気持ちよくて、その場でゴロゴロと小一時間。あっという間に夕食の時間が来てしまった。

▼一泊目の晩ご飯


龍王閣は三連泊以上の湯治プランを申し込むと、ご飯が「少し軽くなる」と聞いていた。

おかみさんも「文月さんはプチプランだったねぇ」と言っていた。

が、こんなに豪華。湯治が終わる頃には丸くなってるんじゃないか、私。

お刺身は近くの七尾のもの、おいしい。茶碗蒸しは鶏肉の旨味がしみだしていて、おいしい。煮物は野菜の甘さが際立っていて、おいしい。

ふと、顔がほころぶ。おいしいご飯を食べれば、それだけで幸せになれる。

お腹がいっぱいになった所でお風呂へ。

湯治初日は無理するべからず、初日の入浴は一回にとどめる。

龍王閣のお湯はそこまで熱くない(私の勘では40度くらいな)ので、油断すると長湯し過ぎてしまう。

肩まで浸かってちょっと額に汗が浮いてきたな、って所で一度休憩するのが身体に負担をかけずにお湯を楽しむポイントです。

心拍数が戻ったら、また肩まで浸かったり、半身浴にしたり。

今回は全力で休む!と決めていたので普段酷使している身体を労わるために、こんなものを持ち込んでみました。

▼普段はやらない美容グッズ(下のはシャンプー類)


ババア感が漂うのは何故だろうか。

布団を敷いて、この日は早めに就寝。

前日の夜行バスが休憩場所に停車するごとに電気をつけるタイプで余り眠れていなかったらしい。ぐっすりと眠った。

翌朝、普段なら出勤打刻をする時間に目がさめる。

▼朝ごはん


お味噌汁でホッとする。

二泊目

朝食後に軽く入浴する。

まだ「休もう」と「働かないと」が拮抗していたので、書きかけのブログに着手したり、近くをフラフラ散歩してみる。

▼バス亭の様子


こんなに晴れてるけど、私は引きこもる。

▼お昼ご飯


「軽いもので良ければ作るよ」という言葉に甘えて、卵うどんをいただく。

よく晴れて、秋の風が気持ちよかったので網戸にして過ごす。


ミンミンゼミとツクツクボウシが鳴くのを聞きながら、ぼんやりと空を眺める。

この日二回目の入浴へ。

気まぐれにpolcaの企画を立ち上げたり、ブログの設定をいじったりして過ごす。

▼晩ご飯


やはり豪勢。カワハギのお刺身には、カワハギのキモをおまけで乗せてもらった。


▼ちなみに前日酢の物にいたカニが、お吸い物にジョブチェンジしている


食後にゆっくりと三度目の入浴。虫の声を聞きながら布団に潜る。

▼朝ご飯


味噌汁と焼き魚って、やっぱりいいよね。

三泊目

そもそも夏休み前に引き始めていた風邪らしきものと、湯あたりが同時に来た。

どうも体がだるくて頭痛がする。あと鼻水。

ああ。これは休めという体からのサインなんだな。と思ってひたすら布団でゴロゴロする。

▼お昼ご飯


前日はうどんだったので丼ものをお願いした。おいしい。

湯治に来て風呂に入らないという、新たな贅沢をしながら、ただひたすらゴロゴロする。

いつのまにかひぐらしが鳴いている。晩ご飯の前に入浴へ。

▼晩ご飯


ただゴロゴロしていただけなのに、お腹は空くんだなぁ。

▼このネバネバ強めの海藻をご飯にかけて食べるのがおいしかった。


名前を聞いたのに失念してしまった……アカモクみたいに、スーパーフードとして注目されてるらしい。

▼毎食おひつでご飯をもらえるんですが、この日は空に。


この日はzoomで「稼ぐってなんだろう」とか「放浪したい」みたいな話をしながら、夜が更けていく。

▼朝ご飯


みりん干しの焼き魚がおいしい。

四泊目

鼻水以外は回復したので、朝食後に一回目の入浴。

▼お昼ご飯


そういえば帰りの新幹線を取ってなかった、と慌てて予約する。

お腹が落ち着いた所で二度目の入浴へ。この辺りでお湯が肌に馴染んできたというか、しっとりツルツル感が出てきた。

「何もしなくていい」って感じが、随分久しぶりか、もしくは人生初めてか、というほど馴染みがなくて手持ち無沙汰になる。

「ブログ書かなきゃな」って思っていたのが少しずつ「ブログ書きたいな」に変わっていくのを感じた。

▼晩ご飯


最後の晩餐。

相変わらずおいしい。お肉よりお魚派の私には最高のご馳走。

お腹が落ち着いた所で、三度目の入浴。お肌ツルツル。

この虫の声を聞くのも今日が最後か……なんて、しんみりしながら就寝。

▼朝ご飯


とろろご飯おいしい。

食後にしっかり目の入浴。

館内をフラフラしてたら宿のご主人に「文月さんはスマホ使う?」と声をかけられる。

▼「使うならこれもらって」と、タッチパネル対応のボールペンをもらう。


「イギリス製なんだよ」とニコニコ。

帰りのバスが13時まで無いので、ご主人と温泉について語りつつ、館内にかけられてる掛軸の話を聞いたりして過ごす。

島崎藤村の拓本がしれっと壁にかけられてた。今度ゆっくり読んでみたい。

名残惜しくて最後に一風呂。

お風呂上がりに「お腹空いちゃうでしょ?」と、おかみさんお手製おにぎり。


もう、心もお腹も満腹です。

四日ぶりに化粧するために鏡を覗き込むと、心なしかふっくらした自分がこちらを見つめていた。

……帰ったら少し、運動しないといけないかもしれない。

チェックアウト時に宿泊者の記念撮影をするのが龍王閣のお決まりで、宿の入り口でパシャリ。

また来るときに「ああ、あの人か」なんて話をしながら、楽しみに待っていてくれてるそうです。

ご主人にバス亭で見送られながら帰路へ。

田舎の祖父母が見送ってくれた、そんな夏の日をふと思い出した。

子供の頃、田舎に帰って最終日に祖父母に見送られる度、ボロボロ泣きながら帰路についた。

別に今生の別れとは思っていなかったのだけど、ただひたすら楽しい日々と、祖父母との一時の別れが悲しかった。

今でも帰省する度に、涙腺が若干危ない。

そんなもんだから時々、私は旅人に向いていないと思う。

旅をして、人と出会い、また会いたくなる。また会いに行って、別れて、その繰り返しが嬉しくもあり悲しくもあり。

こんなに悲しくなるくらいなら、始めから家に引きこもれば良いのに、とも思う。

思うけど

やはり、好奇心と新たな出会いにひかれ、私はまた旅に出るのだろう。

そしてたまには今回みたいに、ただ空を見上げ、虫の声を聞き、夏の風に吹かれ、お湯に癒される旅もするんだろう。
あ、文豪みたいに執筆するの、忘れてた。

それはそれで、次回の楽しみということで……。

本当は2〜3週間ほど湯治しないと真価が発揮されないようなので、いつかがっつり浸かりに来よう。

それでは、これにて。

ドロン。


▼お出かけしたくなったら荷造りしましょう!

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文月詩乃
「やってみたいをカタチにする」をモットーに日々試行錯誤中! 「行ってみたい!」は47都道府県を訪ねる旅に、「引きこもりたい!」は日々の事務処理を仕組み化することで実現させることを目標に活動しています。2017年8月より、フリーの「事務処理屋」としての活動を始めました!